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歯周病学会

令和5年度 日本歯周病学会 第100回歯科衛生士教育講演B in福井が開催されました。

午前の部に、野村正子先生(日本歯周病学会認定歯科衛生士・(特非)日本歯周病学会理事・(公財)ライオン歯科衛生研究所理事)

午後の部に、西田哲也先生(日本歯周病学会歯科衛生士関連委員会委員・日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座兼任講師・

             医)アークブレーンズアーク歯科クリニック)

の御二方を講師にお招きし講演をしていただきました。

午前の部、野村先生は「歯科衛生士は歯周基本治療でどこまで治せるか 歯周基本治療を行う前にやらなくてはいけないこと」との演題で、日常の臨床において歯周病治療というとTBIや歯面研磨ばかりやっているという事はないですか?とのお話から始まりました。

歯肉縁上のプラークコントロールは、基本は患者様自身で行っていただくもので、歯科衛生士は歯肉縁下のプラークコントロールを

きちんと行う事が大切だとの事でした。たとえポケットが3ミリだとしても出血があるとしたらそこには炎症があり、それを見逃さず

にしっかりと対処しなければいけない。ポケット内の炎症を知る為にはプロービングが1番大事であり、プローブは第2の眼であると

のお話をしていただきました。歯肉縁下のSRPは多職種には入り込めない歯科医師、歯科衛生士だけが出来る処置であるため、プライ

ドを持って行って行きましょう。そして、おいしく食べれるお口が1番だともお話しておられました。

野村先生のお話の後には、日本歯周病学会認定歯科衛生士である 本会所属の定政由佳さんにも、認定歯科衛生士試験の際に提出した

症例について沢山の写真を使ってお話していただきました。これから認定を取りたいと思われる衛生士さんにはとても参考になったの

ではないかと思います。

午後の部、西田先生は「歯科衛生士が知るべき全身疾患と生活習慣病」との演題でお話いただきました。

歯周病と関係する全身疾患は色々とありますが、やはり糖尿病との関相互関係は大きな問題です。

歯周病は糖尿病の6番目の合併症ともいわれているくらい密接な関連があるという事は患者様にも良く説明する必要がありますね。

また、新型コロナウイルス感染症においても、歯周病がある方は重症化しやすいというデータもあるとの事でした。

そして、西田先生は、日頃からたくさん写真を撮っているとの事で、これまでに20万枚以上もの写真を撮って来られたそうです。

初めては2度と無い!という事で、今この時の状態を画像で保存して後に確認するという説得力は 歯周病治療においてのモチベーショ

ンを保つ上でとても有効だとおっしゃっておられました。

本日は、お2人の貴重なお話を聴かせていただき、大変有意義な1日となりました。

今回の会場は、リニューアルされたばかりで新しく綺麗でしたし、窓からは山並みや福井市街が見張らせる景色の良い所で気持ちが良かったです。久しぶりの対面での研修会となったので準備も大変でしたが福井で開催された学会を無事に終える事が出来、役員一同ほっと

胸を撫でおろしている所です。今後も対面での研修会を予定していますので、皆さま是非ご参加くださいね。